小脳疾患 失調症

小脳疾患によりフィードバック機構が障害され、動きをコントロール,調整できなくなる。

 フィードバック機構の障害は主に筋緊張を低下させる。相反神経支配による筋と筋間の協調を乱し、四肢体幹の関係性を阻害する。分離運動を阻害する。

筋緊張の低下は、筋の反応性を低下させ働きを遅れさす。また、重力に抗する動きが難しくなる。

相反神経の乱れは主動作筋、拮抗筋などの関係性を乱し、関節運動の調節や四肢体幹の関係性を損なう

これらにより、変換運動障害、測定障害、振戦、共同運動障害、分離運動の障害が起こる

 小脳疾患への関りは、特定な姿勢セットを動き出す前に準備することを援助する。足先から指先まで重力に抗して伸展活動を促す

1.まず初めに全身の過緊張を緩め、中間位の姿勢を探し求める

小脳疾患者は低緊張と四肢体幹の揺れに対して、屈筋と伸筋の同時収縮による緊張を強めている。また動きをコントロールできず、日常生活の失敗経験から過緊張に陥っている

小脳疾患者は目的をもって動く時に問題が明らかになる。関りでは一回の変換運動で済む行為から始める。reach、releaseからなる動きが関わりやすい。よって、坐位か立位姿勢の保持から援助して行く

坐位か立位姿勢で最も力が抜ける姿勢を援助するために、関りを持つものは後方から援助する。対象者の背部全面と援助者の体の前面が軽く接触するように位置する。援助者の両腕により対象者の側面を覆い軽く触れる

 小脳疾患者は安定して止まって入れない

対象者の重心の位置や四肢の位置、体幹のアライメントの関係性を少しずつゆっくりと変え、対象者が最も力を抜ける姿勢を探し求める。その姿勢を中間位とする。一度動いたら中間位の姿勢に戻るようにする

2.最終到達肢位の体幹アライメントを動き出す前から準備する

「手に持っている物をテーブルの上に置く」という場面設定で以下、説明したい

テーブルの上に置く物は”しっかりした”手応えのある、やや重い物で、握りやすく、テーブルの上に安定して置き易い物が好ましい

対象をしっかり握るよう促し、上肢全体を屈曲位で後ろに引き止めてもらうよう励ます

次に、物をテーブルの置く位置に手が到達した時に最もふさわしい体幹のアライメントを動き出す前から、中間位の姿勢から段階的に形作る

体幹のアライメントが決まったら、上肢をReachしてもらう。この時、関りを持つものは一緒にReachして、対象者のリーチする腕の外側に軽く接触を維持する。もしくは関りを持つ者が先にテーブルにリーチしあらかじめレールを引く

対象者はテーブルに物を置くreleaseの時に体の重みが腕に乗らないように、リーチした腕で体を支えないように、また上肢体幹の高まった緊張が減らないよう

releaseでは腕が上方へ向かうよう体幹のわずかな伸展、抗重力方向の動きを援助する。

腕をゆっくり体幹に戻す。再び体幹を中間位へ戻してゆく

小脳疾患では小脳の内側と外側のどちらかが損傷を受けるかで症状が異なる。内側では体幹が外側では同側の上下肢に主な障害があらわれる

しかし、共通して、低緊張と相反神経の乱れによって、上下肢と体幹の関係性を動きに開始直前に準備できない

パターンや姿勢、重心の位置によって筋緊張を高めることができる。体幹の緊張の高まりが上肢の動きを支持できるようになる。また、上肢の動きが体幹の緊張を高め、さらに物を握る筋活動が、上肢や体幹の働きに良い影響を与える。

さらに、少しずつ、物を置く位置を変えてゆく。内転位から外転位へ、近くからより遠くへ段階的に体幹から離れた位置にしてゆく

もしくは、テーブルに置くものを小さな物にして積み重ねる課題を行う

小さな物を積み重ねる課題で上肢を空間に長い時間、保つようにすることで筋活動を時間的に加重し高める。また動きに正確さを求めることでも緊張を高めたり、分離運動が促通される。この時、援助者の腕は対象者のreachする腕や手背の外側に軽く触れるよう位置に置く

代償的な同時収縮による過緊張と異なる