押す人 プッシャー症候群

 坐位や立位姿勢で麻痺側に倒れ修正できない

 麻痺側からの感覚受容が少ない

 麻痺側は低緊張によりが重く下方向へ崩れている

 療法士の援助に押し返してくる

 半側空間無視や失語を伴うことがある

 視空間知覚は身体、頸部や動きの影響を受けている。正中位が非麻痺側に偏移している。

 人の正中位は相対的に決まる。右と左の間にあり、作業空間に定位される。

 押す人は麻痺側からの感覚を得られない。左右の片方からの感覚のみでは正中位を定位できない。

 加えて、療法士が麻痺側から姿勢の修正を援助するが、その感覚の出どころや理由を理解できない。より姿勢を乱す外乱となって受容される。

 療法士が一番最初に行わなくてはならないことは、麻痺側の重さや崩れを減らすこと。

 鉛筆の先で紙の質を感じられるよう、対象者は麻痺側から感覚が入力されなくても、重さや崩れは感じている。

 重さや崩れを減らすために麻痺側の上腕や肩甲帯、胸郭を抗重力方向へ持ち上げる。この時、対象者が力を入れている方向にあがなってはならない。むしろ対象者が力を入れている方向に従って持ち上げる。多くの場合は、姿勢が崩れている方向の上方へ、斜めに持ち上げる。

 対象者はこの援助によって押すことを緩めてくれるだろう。

この非麻痺側の過緊張が減ることで、麻痺側の崩れや重さが減る。相反神経活動であり、大脳半球間の関係性による。

 非麻痺側上肢は、手指で支持面を押している。もしくは柵などを把持し押しているが、離し、手指を伸展し手掌面全体を支持面に付けるよう言語指示する(押す人に対し言語指示は有効である。ただその指示の効果は持続しない。多くの努力を必要としているから)。

 麻痺側の重さや崩れを減らしている状態を維持することで、非麻痺側の押す力は弱まる。そこで体幹に動きを入れる。重さや崩れを減らした状態を維持し体幹に動きを入れる。療法士は両側の腋窩や胸郭から援助する。非麻痺側からの誘導を主にして援助する。麻痺側からの援助は追随するように援助する。動きが出ることで、変化が感覚の受容を促す。非麻痺側上肢によるリーチを励ますのも良い。崩れが大きくなったら止まり、麻痺側の重さや崩れを再び減らすよう援助をやり直す。非麻痺側の過緊張が減るまで待つ。

 押す人の立位を援助する時は、麻痺側下肢の伸展支持を援助し、全体重を麻痺側足底に乗せる。麻痺側の重さや崩れも足底内におさまるように、まとめて真上に乗せる。非麻痺側下肢は突っ張ることができない状態になる。そこで体幹の活動や非麻痺側上肢の活動を励まし、重力に逆らう伸展活動を高める。伝い歩きは有効である。両側下肢からの感覚、協調した動きは半球間の関係性を高める。同じように麻痺側の重さや崩れを減らし、体幹を伸展位で維持できるよう援助する。麻痺側足底に全体重が乗ると非麻痺側下肢はリリースしやすくなる。麻痺側下肢をリリースする時は麻痺側骨盤帯が下方向へ崩れているので、麻痺側下肢と一緒に側方挙上するよう援助する。

 これらの援助を辛抱強く繰り返すことが必要です。

 療法士のプランで体幹の動きを援助する時はゆっくりと行う。時に重く崩れる非麻痺側を支えている療法士の手をゆっくり緩め重さや崩れを対象者に気づいてもるうことも有効。情報処理に時間を要し、情報処理の量に限界がある対象者の中枢神経系に配慮が必要。対象者のプランに従って体幹に動きを入れる時、リーチ活動や歩行では対象者のリズムやタイミングに合わせる必要がある。

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